【本】出島の千の秋
SNSというのは、どうも馴染まない。
FBは他人の日記を覗き見しているようだし、つぶやきも頻繁にチェックする暇はない。
精々ブログを一月に一度更新するくらい。
最近で一番面白かった本の紹介。
立身出世を夢見て、故郷の恋人に別れを告げ、遠く長崎のオランダ商館に渡った主人公。
腐敗が蔓延した商館で浄化に奮闘するも、まさかの裏切りに会い…という話が
主人公視点で展開される序盤はさながら、長崎出島版半沢直樹のよう。(そんなチープじゃないけれど)
穏やかに進む序盤は長崎の青い空が想起されて、その後に展開される、悲恋、秘密教団との壮絶な闘い!との
対比が余計に際立つ。
訳者の方の技量もあるんでしょうが、作者が日本滞在経験が長いということで、
日本人のマインドの描写が巧妙で、翻訳小説とは感じさせない。
オーストラリアの脱獄囚の下とか、プロットが極めてよく練られている。
無駄な登場人物が一人としていない。
どれだけ人気を博したか分かりませんが、読まなきゃ損ですよ。